「瞳の奥の秘密」

本年度米アカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞したスペイン・アルゼンチン合作映画。
                       (ちなみに前年度の同賞を受賞したのが『おくりびと』です)

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おすぎさんが「嵐」の5人に「見るべき映画」を推薦する、
というTV番組の1コーナーを見ていたら、
松潤にこの映画を興奮気味に熱く熱く勧めていた。
「今まで見た1万何千本のうちの、50本には必ず入る」
「知ってる役者が一人もいないから先入観なく没頭できる」
「最後が、最後にすごいことがあるの」
などなど、力いっぱい心いっぱい勧めていて、
私も興味がどんどん湧いてきた。
甘栗さんも「すごい映画」と書いているし、
映画好きな友人もこぞって「見たいと思ってた」というし
今月3本目の映画になるけど・・・思いきって見てきた。



行ってきてよかった! ありがとうレディースデー029.gif
私初のアルゼンチン映画だし、そもそもアルゼンチンのことがよくわかっていないけど
やはりいつの時代のどこの人でも、心の底に流れるものは同じなのだ。人間だもの。

そもそもの事件は1974年に起きた、とされる。
1974年、私にとってはちょっと前のような気もするのに、
当時のアルゼンチンの警察、裁判の仕組みのひどさ。社会が未成熟すぎる。
「チェンジリング」で描かれたロスの警察のひどさ、
でもあれは1920年代なのでありえそうだったけど、その50年後でなお、あんなだったのか。
メインの舞台はその25年後、ということだから2000年ごろの設定か。
かろうじて携帯電話は使っていたけど、パソコンを駆使した現代的なオフィスは出てこない。
この舞台が「今」でもない感じ。たった10年前なのに。これも不思議な感覚・・・

この、よくわからない時代のよくわからない国が舞台で、
しかも25年の時を挟んであっちに行ったりこっちに行ったり、映画冒頭から連れ回される。
それでも俳優さんたちの魅力と摩訶不思議な空気に呑み込まれて
ついて行こうと必死になる私。何度も座りなおしてスクリーンを見据え直す。
結論としては、その最後に明かされる「驚くべき事実」は全く想定の範囲内。
・・・でしょう?そうすると思った、という感じ。
そうなるべきキーワードは繰り返し出ていたし、一つのテーマでもあると思う。
人にとって、一番辛い罰は「死」ではない、ということ。
だからそのどんでん返しを期待して驚くために見に行っちゃだめ。
時代や国情や慣習や社会構成を想像しながら、登場人物一人一人の言葉、目つき、ふるまいを
そういうことか、ああいうことか、と思いめぐらす楽しみ。
どんな背景のもとでも人間が持ちうる、人に対する愛情、友情の深さ。せつなさ。狂おしさ。
おすぎさんの言うように、知ってる俳優がいない、お人形のような若い美男美女のいない
それゆえに現実として胸に迫るあのシーン、この言葉。
ストーリーの展開とか、主人公が人生の忘れ物をとりに行くこととか、そういう一筋の流れより
小さなひとコマひとコマの積み重ねが胸に刻まれる映画だった。
         ・・・これと比べると「おくりびと」はライトだなぁ・・・ 舞台が身近すぎるせいなのか。

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           大きいオメメして~、って、ぼくの瞳の奥は、ってことだね。





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by mamimi-loves-leo | 2010-08-25 21:50 | お出かけ | Comments(4)

Commented by まろん at 2010-08-26 19:41 x
アルゼンチン映画私も経験ないです。
でも、まみみさんの文章を読んでいたらすごく興味がわいてきます。自分があまり知らない国のお話って不思議な世界だけど、ぐっと胸に迫ってくることありますよね。心の底に流れるものは一緒って素晴らしい言葉ですね。
最近私はライトな映画が多いので、見終わった後にしばらく気持ちがそこから抜け出せないくらいの映画を観たいです。インド映画初めてみたときの衝撃がすごくて、しばらくインドのパワーにぐっときましたね~。
Commented by mamimi-loves-leo at 2010-08-26 20:21
まろんさん。
やっぱりついついハリウッドの娯楽大作に馴染みがあって、もちろん大好きだけど、
こういうじっくり地味系映画もいいなー、って思いました。
インド映画、観たことないんですよ。踊るマハラジャでブームになってましたよね。
随所に踊りが挟まる、全体に濃い、ぐらいの知識です。
はまるんですね!パワフルで。お国柄、ってありますね。
あまり観ない国の映画って、たまらなくつまらない危険もあるので賭けなんですけど
今回は評判通りでした。劇場が小さいし一館のみなので当然混み混み。
私たちは朝一で並んだのでOKでしたが、すぐに最終回まで満席、しかも前2列のみ、とかでした。
Commented by 甘栗 at 2010-08-26 21:49 x
好き嫌いが分かれそうな映画だったので、心配でしたが、よかった

ラスト、私は予想外でしたが、見終わってみると、みごとにパズルがはまって違う絵がでて来るカタルシスがありますね
Commented by mamimi-loves-leo at 2010-08-26 22:56
甘栗さん。
ね、口コミを見るとけっこう嫌いな人もいるようですね。
でも上滑りすることなく、丁寧に描いてる気がして、こちらも考えさせられました。
でもこれで舞台がアメリカや日本だったら、全然違う「現代の狂気」風になるのでしょう。
社会的背景を知らない国の話だったから、私も真っ直ぐに見られたと思います。