渦中の人の言葉

東京ではもうほとんど余震もなく、いろんなことが元に戻りつつあって、
少し暗い照明にもお店の早じまいにも慣れて
ときどき ふ、と、あの大地震のことを忘れている瞬間もあるぐらい。

私の大好きなブログ、
「朝日館の女将のてんてこ舞日記」 の舞台は、
まさに津波被害の渦中の街 福島県相馬郡新地町

私がそのブログを知ったのは2年前、長女の受験生活に入る前に
当分行けないであろう家族旅行でフランスへ行こう!ということになり
リアルな情報を集めようと「フランス」「ツアー」でブログ検索をしていた時。
ツアーの記録ブログはたくさんあって、どれもいろいろ役に立ったけれども
このブログは楽しくて軽快な文章や、行間からあふれ出る女将さんのお人柄に魅せられて
ツアー以外の記事もさかのぼって夢中で読んで、私の超お気に入りブログになりました。

1年半ぐらい前、角膜ドナー登録を紹介するACのテレビCMで、
「今ごろ娘も誰かの目を通してこの桜を見ていることでしょう」と言って
満開の桜を見上げている御夫婦を見たことがないでしょうか。
そのご夫婦が、朝日館のだんなさんと女将さんなのです。

そのお嬢さんは理系女子で、念願叶えて山形大学に入学、卒業し、
希望の職を得て活き活きとご活躍の最中、まだ20代で病に倒れるのです。
そのお話を読んだときは、ちょうどうちの長女も同じ理系女子、
しかも国立大学目指して勉強中で、
もう身につまされて考えさせられて私自身が打ちのめされるようでした。

でも感銘を受けるのは、人として一番の苦しみ、試練を得てもなお
ユーモアを忘れず、明るく前向きに人のために尽くし
旅館のお仕事以外にいろいろなボランティアもして人生をびっちりと充実させていらっしゃる
女将さんの姿、生き方でした。
お忙しい方なので、私は時々の更新を心待ちにして読みふけっていました。

あの地震の日、倒れそうに揺れるテレビを押さえていた、
そのテレビの画面に広がっていたのが、
津波で何もかも流されて何もなくなっていた「新地町」だったのです。
いつか行きたいな、と思ってネットで調べて知っていた、朝日館のある町が・・・

ブログは次の日も次の日も更新されず、どうなさっただろう、逃げられたかしら、
女将さんのことだからお客さんのことばかりで御自分は・・・ 
などと頭に浮かんで心配で心配で・・・ 
あの試練をやっと乗り越えたのに、御自分の命までなんて、まさか・・・

やっと数日後、コメント欄で知人の方から御夫婦の無事のご報告がされました。
旅館は建物こそ残ったけれど、もう再建はできない状態だと。
それでも女将さんは避難所で、明るく周りの方を励ましていらっしゃると。

良かった・・・ そして、やはりなんて素晴らしい方・・・

数日前から、「急遽入手したスマートフォン」を駆使しての更新が始まりました。
最初は女将さんらしい、心配していた人を心底ホッとさせる明るい軽やかな現状報告。

そして今朝から、「あの日」のことが綴られ始めました。
本当のドキュメントです。「その中」にいた人の言葉。

もう普通の生活に戻りたいな~、もうそろそろいいかな~、と能天気に思っていた
私の心がピッと締まるような現実。
普通の生活に戻るとしても、決して忘れてはいけない事。

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by mamimi-loves-leo | 2011-03-31 20:31 | 考えたこと | Comments(12)

Commented by sheltie-akubi at 2011-04-01 01:58
こんばんは!
寝床へ行く前に朝日館さんのブログを少し拝見してまいりました。
胸に響くブログですね。
我が家も、今まで以上に一日一日を大切にしていこうと、あらためて思いました。
Commented by まろん at 2011-04-01 08:04 x
パソコンを持って出かけたので、楽しみに拝見させていただいています。今日は雨でゆっくりしています。
角膜ドナーのCM拝見して、心にぐっとくるものがあったのでよく覚えています。これから更なるこの困難を乗り越えられるのですね。ゆっくりブログ拝見させていただきます。本当今回のことは忘れず心に刻みたいと思います。
Commented by チップ&デールママ at 2011-04-01 09:38 x
ACのCMよく覚えています
あのご夫婦なんですね
今年もご夫婦で静かにどこかで桜を見ているのかな?と思っていたのに、まさか被災していたとは・・・
ブログじっくり読ませていただこうと思います
今回は考えさせられる事でいっぱいです
毎日を大切にしなければ!
Commented by まりっぺ at 2011-04-01 09:43 x
人間って、本当に愚かな生き物で、最近はあの地震のこと忘れつつあり、普通の生活に戻りつつありますね。前向きに一歩づつ復興すべきですが、あの恐ろしい出来事は決して忘れてはいけない。あの出来事を教訓に皆、一生懸命生きて行かないといけないですよね。
私も昨夜、寝る前に朝日館のブログ読みいってしまいました。私も高校の時に亡くなった父の角膜を母が提供する姿を見て、「あぁ父の体の一部が誰かの目となって生き残るんだなぁ~」と思うと父を亡くした悲しみが軽減されたあの時の感情を思い出しました。
Commented by そら&りきママ at 2011-04-01 15:08 x
私も読ませていただきました。
お嬢様のこと、今回の災害となぜこの方にふりかかるのかと
いたたまれない気持ちでいっぱいになりました。
でも勇気もいただきました。
日々の生活を大切にしながら、被災された方々を応援していきたいと
気持ちを強く持たせてもらいました。
Commented by mamimi-loves-leo at 2011-04-01 19:55
sheltie-akubiさん。
どれほどの激動の日々であっただろうかと思うのに、
語り口はあくまで穏やかで、いっそう胸に迫ります。
貴重な記録だと思います。
Commented by mamimi-loves-leo at 2011-04-01 19:59
まろんさん。
CM、覚えていますか。バックグラウンドを知らずにあのCMだけを見ても
印象的だったのですね。私はブログを読んで知った上で拝見したので
見るたびに涙涙でした。そしてまた今回のこと・・・
どう考えていいのかわかりませんね・・・
Commented by 甘栗 at 2011-04-01 20:00 x
特に今日の日記はつらすぎる。
この男性はこの記憶を抱えて、どうやってこれから生きていくんだろう。
一日中、思い出しては涙があふれそうになっています。

Commented by mamimi-loves-leo at 2011-04-01 20:03
チップ&デールママさん。
そう、あの御夫婦なんです。
お嬢さんの闘病のくだりや、ドナー登録のいきさつなどを読むと、
なんて立派なお嬢さん、そしてなんて立派な御両親、と
ほんとうに深い感銘を受けました。
どうしてまたなのでしょうね・・・ でも再びみたびしっかりと前を向いて
明るく歩み出そうとなさるご様子・・・すごい方だと思いを新たにしています。
Commented by mamimi-loves-leo at 2011-04-01 20:14
まりっぺさん。
まりっぺさんも、そういう経験をなさったのですね。
女将さんも初めは、あちこち手術で切り取られたお嬢さんの体から
もうこれ以上何も取らないで!と思ったそうですが
御主人がお嬢さんの意志を一番に尊重すべき、と諭されたそうです。
時間が経って今は穏やかに桜をご覧になれても、その境地に至るまでは・・・
真に立派な人格とはどんな試練、困難にも屈せずに己を見失わないことなのだ、
と、今回のことであらためて勉強させていただいています・・・
Commented by mamimi-loves-leo at 2011-04-01 20:18
そら&りきママさん。
なぜ、と思いますよね。人が経験しうる最も辛い体験の連続。
でも克服なさっているんですよ。
しっかり前を向いて、明るく感謝して励んでいらっしゃるご様子には
敬服するばかりです。母として女性として、本当に見習うべき方ですね。
Commented by mamimi-loves-leo at 2011-04-01 20:24
甘栗さん。
やりきれませんね・・・ こういう現実が、何百何千とあったのでしょうね。
忘れることはあり得ないし、克服するのは並大抵ではないと思います。
でも生きていかないといけないんですよね、人間は・・・