回でのお食事はお部屋でいただける。
(ただし5名で宿泊したときはお部屋食ではなくなるらしい)
私たちは6時半開始でお願いした。
お部屋食の場合、当然ながら部屋に仲居さんが出たり入ったりし続けるし
旅館によっては約束よりずっと早く一部のセットだけしにきてそのままだったり
あるいは自分たちで部屋も片付けてスタンバってるのになかなか誰も来なかったり
「これだったら約束の時間に自分でさくっと食事処に行った方が気が楽」と思うこともある。
ところが、ここは全く違った。部屋食ばんざい。
6時27分ごろ、部屋付きの明るくて可愛い係りの女性が外から声をかけてきて
「どうぞ」とお返事すると、すみやかにさりげなくお食事が始まった。

最初のセッティングがこれだけなのも、スマートに食事が始められた理由かもしれない。
あれが並びこれが並び、と、期待は高まるものの
会話も途切れがちにセットが終わるのを待つのもときとして野暮ったくもある。
今回は彼女が入ってきて笑顔で二言三言、
あ、と気付くとまずお一つどうぞ、みたいにさりげなく小鉢が用意されていた。
いただきます、美味しそ~、と自然に始まる。
温泉で骨が抜けてる私には有難い始まり。
そして小鉢の中は・・・
先附 湯葉と生海苔の和え物 天豆 山葵

これが美味しかった~。 わ、後が楽しみ!と思うぐらい。
下の透明のジュレが塩味のしっかりしたお出しで、生海苔や湯葉に程良くからんで強すぎない。
ぽちっとの山葵もちょうど。そらまめの甘さも引き立ちます。
前菜 黒豆 新順才の酢物
もろ胡瓜 田舎味噌 茗荷寿司 鮎の一夜干し 三元豚の干し肉 南瓜香り焼
ああ、日本料理の醍醐味、
いろんなものをちょびっとずつ。
黒豆はふっくらと甘く柔らかく。
一つ一つの味が全然似通っていなくて、次から次から楽しく美味しい。
南瓜の香り焼はなんとシナモン風味。
お~、そういう香りでしたか、と嬉しい意外性。
素材がわかるシンプル仕立てでありながら全部が当たり前でない嬉しさ。
工夫は気配りの賜物。
造り 牛刺 旬の鮮魚 アロエ
これにはお醤油の小皿が二つ付いてくる。牛用とお魚用。
牛はA5ランクの那須牛。美味しい!
正直者の中学生たちは「お肉だ!美味しいお肉だ!」とシンプルに感動して
目を丸くする
煮物 加茂茄子 鶏 青味
この私の写真で見ても美味しそうだとわかる!
お出しの加減がちょうど良いの。
鶏の出しで野菜が美味しくて野菜の出しで鶏が美味しい。
じゅるっと飲み干しちゃうお出し。
焼き物 岩魚の塩焼き 枝豆 レモン
なんとかっていう、とても水のきれいなところの岩魚で、
川魚の臭みがない、と説明を受けた。本当だった!

私正直、今まで川魚を美味しい~っと思って食べたことなかったのですが
これは美味しかった。肉厚で身がたっぷり。
酢物 蒸し鮑とフルーツトマトの酢物 アスパラ
酢が強すぎない。だから、鮑がちゃんと鮑の味。
フルーツトマトが甘いのは当たり前なので、甘くて美味しかった、とは言いたくないけど
・・・甘くて美味しかった~。
ここで初めて大掛かりなコンロが運ばれてきて、
鍋料理 那須黒毛和牛豆乳しゃぶしゃぶ 法蓮草 白美人 木の子

このところのリノベーション旅館では豆乳しゃぶしゃぶは
ブームというよりもはや定番。 またか、と思う方も多いでしょう。
私も、初めて食べたとは言いません。
でも、牛刺を食べたあたりからとてもとても楽しみになっていたのです。
あのお肉をたっぷり食べたいな~、さっとしゃぶしゃぶしてどんどん食べたい~
美味しいお肉はいろいろしてくれなくていい、生のままどっさり持ってきて欲しい~

これは二人前。なのでテーブルの上にはこれが二つ。
写真よりお肉はもっとたっぷり感。
これをポン酢(ポンきつめ)にちょっとつけてパクパク食べる。
美味しい~ 牛肉って美味しい~
ポンきつめがアクセントになって止まらない。
白美人(長ネギ)も柔らかくて中はとろとろに溶けててやけどしそう。
たくさん食べたけど、まだ食べられるなー、こういうお肉なら。と思っていたら
なんとおかわりができるって・・・知らなかった・・・

最初と同じ量、運ばれてくる。子どもたちはもちろん大喜び。
ここまででかなりたくさん食べたのに私たちも食べられちゃう。何故だろう?
それは。ここは特筆すべき、
声を大にして言いたいこと。
ここのお料理の出し方はテンポがいい。最高。
この旅館の対応すべてに言えることだけど
なんでこんなに心地よいのか、疲れないのか、その理由の一つはテンポ。
せかされない、ほっとかれない。
到着からチェックイン、部屋へ案内、ここから流れはあった。
食事の準備もしかり。
始まってからの流れ、飲み物の勧め方も、お皿が運ばれるのも、
全部「あちらの都合」ではなくて私たちのテンポで進められている。と感じる。
だから、待っている間に変にお腹いっぱいになることなく、次々と楽しく食べられる。
またちょうど良いころ合いで
牛蒡飯 留椀 香の物
「少し軽めによそいますから、お肉たくさん召し上がってください」
と言っていただいたけれど、この牛蒡ご飯も美味しくてなんの問題もなく入っていった。
家で真似しよう~、このご飯。
そして
デザート 特製柚子プリン
このシンプルな姿が可憐で嬉しかった。
ここでゴージャス盛り合わせはいらない。
シンプルなプリンの上に柚子のシロップ。柚子味が美味しいの。とても。
そしてさりげなく・・・

お夜食が置かれる。可愛いお握り・・・
無理だ無理だと言いながら、夜が更けるにつれて、
一つ、また一つと消えていった・・・
旅館御飯の好みはいろいろだから、普通の番付にしたらどのぐらいの評価なのかは分からない。
正統派の旅館のお食事が好みの方は違うと思うでしょう。ここは懐石料理旅館じゃないから。
私は満足。美味しかった~ 次がどんどん楽しみだった。
凝りすぎてなんだかわからないものはなく、当たり前すぎて新鮮味がないものもない。
ただ、改めていろんな旅行ブログを見てみると同じお料理の写真が多い・・・
リピートしたらどうなるのかしら。またこの感動ができるのかしら。
それが知りたくて、でももう一度食べたい味も多くて
ぜひもう一度行きたいわ、と友人とも話している。
もう一度行きたい!と思う宿。いいところを選んで正解!と満足している
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